オリンピアン・三浦龍司(4年)を擁して期待値の高かった順天堂大は、出雲10位に続いて全日本でも11位と振るわなかった。佐久長聖高時代に高校記録を塗り替えた吉岡大翔(1年)が出雲での1区11位に続いて、全日本でも3区14位と期待に応えることができず。三浦も出雲は欠場し、全日本では2区8位。他の面々もチームを奮い立たせる走りを見せることができていない。ここから約2カ月で、どこまでチームコンディションを上げられるか。上位争いできる力は持っているはずだが、現時点では不安な部分の方が多い。
その他、ピーター・ワンジル(3年)を擁して全日本7位に入った大東文化大は箱根でも大いに期待でき、全日本で3区まで3位につけながらも最終的に10位に終わって5年ぶりにシード権を失った早稲田の巻き返しにも注目だ。卒業したイェゴン・ヴィンセントを凌ぐ“史上最強留学生”の呼び声高かった東京国際大のリチャード・エティーリ(1年)が箱根で見られない(予選会で落選)のは残念だが、今年の箱根予選会で日本人トップの走りを見せ、全日本でも3区で従来の区間記録を塗り替える走り(駒澤大・佐藤、青山学院大・黒田朝日に次ぐ区間3位)を見せた東京農業大のスーパールーキー・前田和摩(1年)など、ニュースター誕生の予感は大いにある。
上位争いをできるチームは多い。だが、出雲、全日本を終えて駒澤大の強さは圧倒的であり、「1強」状態であることは認めざるを得ない。箱根では、これまで以上の“駒澤包囲網”が敷かれることは間違いないが、それすらあっさりと突破してしまいそうな絶対的な強さを持っている。普通に走れば、駒澤大が勝つ。だが、駅伝は始まってみないとわからないことも確か。「史上初の2年連続三冠」か、それとも「史上最大の大波乱」か。新春の号砲は、すぐ目の前に迫っている。