11月5日に行われた全日本大学駅伝で、駒澤大が1区から一度もトップを譲らない完全優勝で4連覇を達成した。これで10月の出雲駅伝に続いての優勝となり三冠に王手。駒澤大は昨季、史上5校目の大学駅伝三冠を成し遂げており、2年連続の三冠となれば史上初の偉業となる。残すは箱根駅伝(2024年1月2、3日)のみ。果たして絶対王者を阻止する大学は現れるのか。
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出雲でも1区から6区まで一度もトップの座を譲らなかった駒澤大の強さは、距離が伸びた全日本、気温20度を超える異例の暑さの中でも不変だった。1区の赤津勇進(4年)が区間賞スタートを切ると、各大学のエースが揃った2区で佐藤圭汰(2年)が区間新記録を叩き出す。3区・篠原倖太朗(3年)、4区・赤星雄斗(4年)、5区・伊藤蒼唯(2年)、6区・安原太陽(4年)が安定した走りで後続との差を広げ、7区にはキャプテンの鈴木芽吹(4年)が出雲に続いて貫禄の走り。最終8区の山川拓馬(2年)も平地も上りもスピードを落とすことなく走り切った。
誰がどう見ても強い。昨年度の三冠メンバーから出雲6区間中4人、全日本8区間中5人、箱根10区間中7人が残った新チーム。大八木弘明監督が勇退し、新たに藤田敦史監督がチームを指揮する中、出雲では全6区間で区間賞3人、区間2位1人、区間3位2人、そして全日本では全8区間で区間賞4人、区間2位3人、区間3位1人。今年の駅伝2レース全14区間で出走した全員が「区間3位以上」の走りを見せているのだ。選手たちの経験値は高く、選手層も厚い。どの選手も走る姿が力強く、軸にブレがなく、何より表情が自信に満ち溢れている。
対抗馬の候補としては、まずは長くライバル関係を続けてきた青山学院大の名前が挙がる。今春の箱根で10区中7区間を務めた「最強世代」の4年生が卒業したことで戦力低下が指摘され、出雲では駒澤大と3分37秒差の5位と振るわなかった。だが、迎えた全日本では3分34秒差の2位と盛り返した。2区で区間2位と好走した黒田朝日(2年)の走りが頼もしく、他のメンバーも成長している。原晋監督のもと、これまで出雲、全日本で振るわなくても箱根では激走してきた過去があり、その前哨戦となる全日本での2位は打倒・駒澤大へ向けた大きな収穫になる。