現役ドラフトで新天地へと移った12人中、すでに6人が1年で戦力外通告を受ける厳しい現実もあったが、この2人のような“成功例”があれば、この制度の価値はある。契約更改でどれだけアップするか。彼らと同じように燻っている選手たちに希望を与えてもらいたい。

 その他、今季16勝3敗、防御率1.98で最多勝&最高勝率のタイトルを獲得した年俸2610万円の東克樹(DeNA)、人的補償で移籍した新天地で守護神として25セーブ(47試合2勝3敗8ホールド、防御率3.50)を記録した年俸1200万円の田中正義(日本ハム)、育成契約時の年俸240万円から今季開幕前に支配下登録されて500万円となった中、一時はスタメン出場を重ねるなど91試合に出場した茶野篤政(オリックス)、さらにレギュラーとして活躍した年俸840万円の門脇誠(巨人)と年俸630万円の秋広優人(巨人)の2人、中継ぎで53試合に登板した年俸500万円の内星龍(楽天)らも大幅アップ間違いなしの面々だ。

 一方、ダウン額が気になる面々も多い。今季が7年契約の3年目だった山田哲人(ヤクルト)は年俸5億円を維持できるが、3年契約最終年だった青木宣親(ヤクルト)は年俸3億4000万円からの大幅ダウンが必至。5年契約最終年だった丸佳浩(巨人)も打率.244、18本塁打、47打点では現在の年俸4億5000万円は“もらい過ぎ”だ。そして巨人・坂本も同じく5年契約の最終年だったが、成績(打率.288、22本塁打、60打点)と年俸6億円のバランスをどう取るか。さらに3年契約最終年の大野雄大中日)は年俸3億円ながら左肘手術で登板1試合のみに終わった。そして昨オフに大幅ダウンとなった楽天・田中も7勝11敗、防御率4.91だと年俸4億7500万円からのダウンは避けられないだろう。球団別に見ると、リーグ優勝を果たした阪神、オリックスの両球団の選手たちの「暖冬」ぶりがどうなるかも気になるところだ。

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中日で好投報われなかった投手は…