だが、日本はもちろん、渡航先の国でも売春は違法であることが多い。アメリカをはじめ多くの国が、売春目的での入国も禁止している。女性たちは、入国時は現地で働くことを伏せ、観光ビザなどで入国し、現地で短期間働いて帰国するか、別の国に移動するようだ。就労ビザを得ずに働くことは、不法就労にあたる。検挙の対象となるほか、国によっては逮捕される危険もある。表向きには別の仕事で就労ビザを得て入国し、入国後に副業的に性風俗の仕事をする人もいる。

稼げた経験で「また行きたい」

 なかには売春と認定されて入国拒否になったことを知らずに、何度も入国を試みようとする女性もいるようだ。自分に入国拒否期間が設定されていると知らず、入国できる可能性があると信じて、弁護士や行政書士などに高額な報酬を支払って、ビザを申請しようとする。その多くが「出稼ぎで稼げた」という経験がある、売春目的の女性だという。

 アメリカのビザ問題に詳しく、こうした女性からの相談を受けているという行政書士の佐藤智代さんはこう話す。

「入国拒否になっても、自分がその場で、どの条例が適用されて入国できないのかがわからない例が少なくありません。英語が話せないとなると、なおさら理解するのが難しい。入国できる可能性は限りなくゼロに近いと知らず、弁護士や行政書士に高額な報酬を払ってでも入国を試みようとします。向こうで稼げたという経験があると、また行きたいという気持ちがどうしても抜けないのでしょう」

 売春目的で出稼ぎに行く女性たちがさらに増える可能性がある。そうなれば、いずれ日本人の入国審査そのものに影響が出ることも起こりうる。「異文化を知りたい」「海外で学びたい」という若者のチャンスをも狭めかねない。(松岡かすみ)

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