女性は観光ビザで入国し、数週間から1カ月単位で客のいる都市に滞在する。稼ぐ金額は、平均1カ月で約2万ドル(現在の日本円で約300万円)。コロナ禍で渡航が不自由な時期もあったが、今年はすでに5回、海を越えて出稼ぎに行った。
女性は高級ソープで働いていたこともあり、国内でも“稼げていた”ほうだ。だが、出稼ぎのほうが圧倒的に割がいい。
運が悪ければ捕まるかも
そんな彼女の目下の懸念は、入国審査だ。特にアメリカへの入国時、ここ数年で疑いの目を向けられることが増えてきたと感じている。下着を入れたポーチに至るまで、すべての荷物を開けて細かく調べられ、別室で入国の理由を厳しく詰問されたこともあった。
「なぜ1人なのか、どこで何をする予定なのか、滞在先はどこか、今すぐに知り合いと連絡が取れるかなど、事細かに聞かれたこともありました。現地に住む友人宅を訪ねる予定と説明しても、疑いの目を向けられる。私の場合は、入国審査時に疑われた時用に、現地の知人と連絡が取れるように対策したり、スマホを見られても大丈夫なように準備したりしていたので、何とか難を逃れましたが、今後は運が悪いと捕まっちゃうかも。それが一番怖いですね」(同)
売春目的で出稼ぎに行く女性複数人に話を聞くと、出稼ぎの理由はやはり、「もっと稼ぎたいから」だ。稼ぐ額はサービス内容や個人、年齢や国によっても変わってくるが、日本の一般的な単価と比べ、海外はおしなべて「約2〜4倍」というのが、女性たちが口にする“相場感”だ。「日本と変わらない仕事内容なのに、海外のほうが圧倒的に稼げる」ということから、「もう日本で働くことは考えていない」と話した女性もいる。