古賀茂明氏
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「所得減税・給付は5兆円規模に 政府の4万円減税案 非課税世帯は7万円給付」

【不敵な笑み?】「増税メガネ」について質問された時の岸田首相の表情はコチラ

 日経電子版10月24日配信の記事の見出しだ。

 岸田文雄首相が前日23日の所信表明演説で「経済、経済、経済」と連呼し、「現世代の国民の努力によってもたらされた成長による税収の増収分の一部を公正かつ適正に還元する」と述べたが、その具体的内容について報じたものだ。

 世界中が、コロナ禍とウクライナ紛争の影響で歳出を拡大したために悪化した財政をどう立て直すかに苦心している最中に、公的債務は対GDP比261%で世界ダントツの借金大国である日本が、円安を放置して、さらなるばらまきに猛進している姿は、もはやまともな先進国には見えない。諸外国は、日本の国民は、もう何をやっても経済破綻は避けられないと諦めて、最後の宴を楽しんでいるのかと思うだろう。今の日本は、それくらい理解不能なメチャクチャな世界に突入しようとしている。

 円安による物価高とガソリンなどのエネルギー価格高騰に喘ぐ庶民を助けると言いながら、岸田首相がぶち上げる予定の経済対策には、さらなる円安とインフレを進める政策が並んでいる。

 そもそも、今の日本には「景気」対策はいらない。17日配信の本コラム(「2350億円の無駄では済まない『大阪万博』 中止こそが日本を救うと断言できる3つの理由」)でも指摘したとおり、日本はこれまでの需要不足から、需要と供給がほぼバランスする状況に至った。そこに政府が人為的に需要を上乗せするとどうなるか。

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