庶民のための政治を行うには、まずは政権交代をしなければならない。その上で不公平税制を正し、財政再建も目指す。その際、これまでの歳出のプライオリティを根本から修正することが重要だ。それによって、税金が真に庶民のため、将来の日本のために使われるという確信を国民に与えることができれば、増税への反対は一気に和らぐだろう。
また、軍拡予算を減らせば、政府は何がなんでも戦争をしないために必死の外交努力を行うようになるはずだ。
よく考えると、税制も予算も国会で決めるものだが、間接的には国民に決める権利がある。言うことを聞かない議員は落選させる力が国民にはあるからだ。これまでは、その権利を平気で捨てている国民も多かったのだが、そんな人たちには、生活が苦しいから金をくれという権利はない。
だが、真に国民のための政治を行う政権への交代を実現するのは難しい。一足飛びにはいかないだろう。
何よりも、まずは国民が現状を正しく認識し、ばらまきを望めば将来その何倍ものしっぺ返しが来るということを理解することから始めなければならない。その上で、なんとか生活していける国民は、改革に伴う多少の困難は我慢し、真に貧しい人たちを優先する政策を支持しなければならない。そういう考えの人が増えて初めて、それにこたえる野党議員が増える。そして、その先に政権交代が見えてくるのだ。
これに失敗すれば確実に、国民は円安とインフレの暴風にさらされ、今日とは比べものにならない地獄の苦しみを味わうことになる。
問題は、スピードだ。
政権交代による正しい政策の実現と経済破綻のどちらが早いか。
ここ1年程度の政治が私たちの生死を決めると言っても過言ではないと思う。