簡単に計算して、比較してみましょう。

 生理のある期間を10歳から50歳までの40年として、1年に12回生理がくるとすると、480回になります。妊娠中や産後の授乳期間は生理がありませんから、それを加味すると、現代の女性が生涯に経験する生理の回数は、平均して450回ぐらいとみることができます。

 一方で、私たちのおばあさんの世代を考えてみると、子どもを5人6人と産むのが当たり前でした。結婚も初産も、今よりずっと早かったようです。一方、初潮年齢は今よりも遅く、15歳ぐらいでした。ですから、その時代の女性たちが経験する生理の回数は、100回程度だったといわれています。

 現代の女性たちは、祖母、曾祖母の時代と比べると、約5倍もの回数の生理を経験しています。

 今は、子どもを持たない女性も増えてきていますし、出産したとしても一度だけという女性も少なくありません。現代の女性には、初潮から閉経を迎えるまで、ほとんど絶え間なく生理が繰り返されているという状況が起こっているのです。

(構成/長瀬千雅、ブックデザイン/鈴木千佳子)

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