子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にあるべき子宮内膜が、子宮以外の場所にできる病気です。例えば、卵巣や卵管(子宮と卵巣をつなぐ管)、子宮と直腸のあいだ、子宮を支える靱帯といった場所に発症します。稀にではありますが、肺や腸にもできることがあります。
病状が進むと、卵巣にチョコレート嚢胞と呼ばれる嚢腫ができたり、卵巣、卵管や腸が癒着したりします。
子宮内膜症の代表的な症状が、痛みと不妊です。子宮内膜症を抱えている方の9割が痛みを訴えています。不妊に関しては、すべての方に不妊の症状が出るというわけではありませんが、子宮内膜症があって、かつ妊娠を希望する方の3割程度が不妊症とされています。妊娠を希望するかどうか、いつごろ妊娠したいかといった、女性にとって大切なライフプランに、子宮内膜症は大きく影響するのです。
では、なぜ子宮以外の場所に子宮内膜ができるのでしょうか。これについては、じつはまだはっきりとした原因がわかっていません。ただ、腟から体の外に出て行くはずの経血が、なんらかの理由で卵管を通って逆流して、子宮内膜の組織がおなかの中にばらまかれることが子宮内膜症の発生にかかわっていると考えられています。
