経血が逆流するのは特別なことではなく、9割の女性は、生理中のおなかの中に経血が存在するというデータがあります。

 少し話がわき道にそれますが、私が練習を続けているアシュタンガヨガには、「生理のあいだ3日間は練習を休みましょう」という教えがあります。古くから続くヨガで、そのような教えが生まれた背景はわかりませんが、アシュタンガヨガには「逆転のポーズ」などの逆立ちになるような動きがありますから、生理中、出血量の多い数日間にそのような動きを避けましょうという教えは、産婦人科学的にも理にかなっているといえます。

 逆立ちをせずとも、日常生活の一般的な動作をしているだけでも、経血の逆流は少しずつ起きています。逆流と言うとすごく怖いことのように思われるかもしれませんが、経血がおなかの中に流れるということは、裏返せば、「卵管が詰まっていない」ということなので、ある意味、自然なことです。

 子宮内膜症は、人生において生理を経験する回数が多ければ多いほど、発症するリスクが高くなることがわかっています。そして、まさにそのことが、子宮内膜症が現代の女性に増えている大きな理由です。人生における生理の回数が、ひと世代ふた世代前の女性と比べて、飛躍的に増えているからです。

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