例えば、以前いただいた質問の一つに、こんなものがありました。

Q.布ナプキンにすると、経血の量は減るの?

 布ナプキンが今の日本の社会に受け入れられた理由には、ナチュラル志向があると思います。外陰部(おまた)の粘膜は、腕や足などの皮膚に比べれば弱いことは確かですから、外陰部に触れるものが質の良いものであってほしいという気持ちはよくわかります。

 使い捨ての紙ナプキンには、水分を内側に閉じ込めて表面ができるだけウェットにならないようにする高分子吸水ポリマーという化学物質が使われています。その化学物質がからだに良くないのではないかと不安視する声が、ナチュラル志向の方たちのなかであがってきたわけです。

 布ナプキンにすれば経血の量が減るかと言われたら、そんなことはありません。それは確実にいえます。「生理痛が軽くなる」というのも同様です。

 また、商品として販売されているものの中には、布ナプキンはからだを温めるから女性のからだに良い、と表記されていることがありますが、実際は、温めるよりもむしろ、冷やすほうに作用する可能性が高いと思います。なぜかというと、経血で濡れたコットンがずっとからだに触れている状態が続くので、濡れたコットンの衣服を着続けることでからだが冷えるのと同じことが起きているともいえるからです。

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日本人がタンポンをあまり使わないわけ