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※写真はイメージです(Getty Images)

 欧米では女性の7割がタンポンを使用するのに対し、日本ではおよそ2割から3割と使用率は低い。産婦人科医で自身の音声SNS「高尾美穂からのリアルボイス」でさまざまな女性のリアルな悩みを聞いてきた高尾美穂氏は、日本でタンポンがそれほど使われない理由は、日本の女性たちが自身の外陰部の構造をしっかりと把握しようとしてこなかったからではないかと述べる。同氏の新著『娘と話す、からだ・こころ・性のこと』(朝日新聞出版)から一部を抜粋、再編集し、日本のタンポン使用率が低いわけついて紹介する。

【図】月経カップの使い方はこちら

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生理用品についての誤解はありませんか?

 生理用品に関しても、さまざまな新しい商品が登場しています。従来の使い捨ての紙ナプキンも、使い心地がよくなるように年々改良されていますし、布ナプキンや月経カップという、新しい商品も登場してきました。

 女性のからだや健康をケアする商品・サービス─「フェムケア」と呼ばれます─の充実も、この10~20年で大きく変わったことだと思います。ちなみに、女性の健康課題をテクノロジーを使って解決しようとするサービスは「フェムテック」と呼ばれます。

 フェムケアやフェムテックの広がりについて、基本的には前向きにとらえれば良いと思いますが、これまではなかった商品が出てきたときに、本当に使っても大丈夫なのかとか、見聞きした情報が正しいかについては、気になりますよね。

高尾美穂さん
写真:東川哲也(朝日新聞出版写真映像部)
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高尾美穂

高尾美穂

医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本医師会認定産業医。イーク表参道副院長。ヨガ指導者。婦人科の診療を通して、さまざまな世代の女性の健康をサポートし、ライフステージに沿った治療法を提案。その過程で、患者の悩みや困りごと、さらには娘の心身についての悩みの相談を聞くことも。テレビや雑誌などメディアへの出演、連載、SNSでの発信のほか、アプリstand.fmで、再生回数1100 万回を超える人気音声番組『高尾美穂からのリアルボイス』を毎日配信中。とくに、更年期の専門家として、女性たちの支持は非常に高い。著書は『いちばん親切な更年期の教科書─閉経完全マニュアル』(世界文化社)、『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)、『オトナ女子をラクにする心とからだの本』『人生たいていのことはどうにかなる─あなたをご機嫌にする78 の言葉』(以上、扶桑社)など多数。

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布ナプキンにすると、経血の量は減るの?