その上で櫻井准教授は「保護者はアンテナを高く張って、子どもの変化に気がつくことが重要」とも話す。
「子どもは被害に遭っても、保護者には軽い感じでしか話さなかったりします。また、夜眠れなくなったりすることもあります。そうした、いつもと違う子どもの変化に気づいた時は『何かあったの?』と声をかけることが大切です。そのためには、日ごろから子どもとコミュニケーションをとっておくことが求められます」
教育現場で増える性犯罪を防止するにはどうすればいいか。櫻井准教授は、「教育の現場は性犯罪に対する教員の意識が十分ではない」と指摘し、「教員への意識づけが重要」と語る。
「子どもの時に受けた性被害が子どもに与える影響や、16歳未満との性行為は同意の有無にかかわらず処罰の対象となることなど、専門家を招いて教員に伝え、性犯罪を許さない学校にしていくことが必要。塾など教育産業でも、講師を採用する際に入り口で防ぐこととあわせ、働き手の意識変革も重要です」
何ができるのか大人一人一人が考えなければいけない。子どもたちが、安心して暮らせる社会にするために。(編集部・野村昌二)
※AERA 2023年10月30日号より抜粋