仮に、水戸公演の観客が歌う曲数をある程度知っていた場合はどうなのか。
「（座間や名古屋公演と）同程度の曲数を歌ってくれるという期待をもつことは合理的といえます。告知の方法が同じだったとすればですが、他の公演での曲数は、アーティストが提供すべき『債務』にあたる可能性があります。裁量権は主催者側にあるとはいえ、『他の公演との均衡』という観点では、『債務の本旨に従っていない』ことになり、少なくとも一部を返金する必要は生じるかもしれません」
アーティストの思いとファンの期待がすれ違った異例の騒動。
村松弁護士は、
「 個人的には、ファンの感情などすべての事情を考慮して全額返金の対応をしたことは、正しい対応なのではないかと思います」
とそう締めくくった。
(AERA dot.編集部・國府田英之)
國府田英之
1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。
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