山崎まさよし(中央)と秦基博(左)、長澤知之(右)

 名古屋以降の公演主催者も、ファンからの不安の問い合わせが来ているとし、

「事務所側から説明があり、山崎さん本人もだいぶ反省しているとの話でした。もう同じことは起きないと考えています」

 と話した。

 異例の騒動だが、そもそも、ライブでの歌う曲数が少ないというだけで返金義務は生じるのか。

債務の本来の趣旨に従った履行

 企業法務やコンプライアンスの問題に詳しい村松由紀子弁護士は、

「一般的にライブは、ファンがチケットを購入することでお金を支払い、アーティストは指定した日時や場所で歌やトークを提供する『債務』を負っています。その『債務』の本来の趣旨に従った履行をしない時に、損害賠償請求ができると規定しています」

  と解説する。

 例えば、アーティストが体調不良などで歌やトークをできなかった場合は、「債務の本来の趣旨に従った履行をしなかった」ことになり、法的に返金義務が生じるという。こうした場合は、中止だからチケット代金の払い戻しをするのが通例だ。

 ただ、今回はライブは行なったが「歌った曲数が少ない」という珍しいケースである。

 村松弁護士がこう指摘する。

「どの曲をどう歌うかなどの予定をしっかり掲げていない場合は、主催側にかなりの裁量がありますので、歌った曲数が少ないことをもって『債務の本来の主旨に従っていない』とはいえないと思います」

 とはいえ、ツアー初回の座間公演の曲数からほぼ半減しており、次の名古屋公演でも18曲が予定されている。がっかりしたファンがいたのも致し方ない。

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アーティストが提供すべき『債務』とは