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日本イーライリリーは、1975年の設立以来50年近くにわたり、創薬・開発に力を入れるグローバル製薬企業。20年前から取り組んでいるのが、DE&Iで、ジェンダーや女性の働き方に正面から向き合いながら、革新的な医薬品を開発している。その詳細について、日本イーライリリー代表取締役社長のシモーネ・トムセンさんに、木村恵子編集長が話を聞いた。
文/内藤綾子 撮影/簗田郁子 デザイン/スープアップデザインズ
制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ 企画/AERA dot. AD セクション

Simone Thomsen
シモーネ・トムセン
ドイツ出身。2002年にイーライリリー独子会社に入社し、オーストリア法人ジェネラルマネージャー、日本法人マーケティング本部長、ドイツ・オーストリア・スイス地域の統括子会社社長などを経て、19年から現職
木村 御社では、長年DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を企業の成長を促す戦略として位置づけています。狙いをお聞かせください。
トムセン 当社には、さまざまな国籍、経験や意見、文化的背景を持った社員が働いています。すべての社員が多様な価値観を互いに尊重し、幅広い多様性を受け入れ活かすことが、社員および会社の成長につながると考えDE&Iを推進しています。
木村 DE&Iの観点から、御社が重要と考える取り組みは何でしょうか。
トムセン 象徴的なのが、700名以上が参画する4つの社員リソースグループ(ERG)です。性別に関係なく活躍できる働き方を考える「GEN」、性的マイノリティーの公平な取り扱いを促進する「LGBT+Ally」、病気、障がい、長期的な健康上の問題に焦点を当てた「enAble Japan」に加え、23年7月には若手社員が中心で活動する「Generation」が発足しました。
木村 御社の社員主導のERGは、他社と比べて取り組み内容がユニークですね。どのような活動なのか、ひとつ例を挙げて教えてください。
トムセン 「enAble Japan」は、2020年に障がいのある社員数名で発足しました。当時は、会社の施設や設備が整っていないことによる物理的バリアや、上司や同僚の共感・理解の不足といった精神的バリアが彼らに立ちはだかっていました。そこでミーティングを重ね、車いすでも使いやすい高さのコピー機や、身体を楽に支えられるオフィスチェアの導入が行われ、結果としてバリア解消の仕組み化が進められました。また、全社員が参加するイベントでは手話や字幕の導入など、より多くの人が働きやすい環境に整備されました。
木村 バリアが少しずつ解消されると、社員の気持ちも変化しましたか。
トムセン ええ。お互いを知ることでコミュニケーションが密になり、障がいを持つ社員が、本来の能力を発揮できる環境に近づきました。それに伴い、全社員にとってもイノベーションの促進となる働き方や考え方が進んだことを実感しています。
木村 DE&Iの一環として、2005年前後の取り組み当初から女性活躍推進にも力を入れていますね。
トムセン 日本の各家庭におけるヘルスケア商品の決定権は、女性に多い傾向があります。こうした顧客のニーズに応えるには、女性社員の力を有効活用すべきなのです。当社ではリーダーシップにおいても、女性役員の割合は44%、女性管理職は31%を占めています。
木村 女性営業職の人数も多いとか。
トムセン はい。育児・介護などのライフイベントに関係なくキャリアを継続できる環境づくりとして、フレックスタイム勤務者のコアタイムを廃止するとともに、利用条件のない在宅勤務制度などを導入しています。そのほか、さまざまな環境、立場で働く社員のネットワークを活用。例えば女性リーダーから、仕事と家庭を両立させるアドバイスなどを女性社員が聞ける仕組みを進め、若手社員や中途入社社員には良い刺激となっています。

Keiko Kimura
木村 恵子
AERA 編集長
木村 先輩たちをロールモデルとして話を聞くことで、今後の働き方のイメージがわきやすくなりますね。仕事に対する不安解消にもつながるのでは。
トムセン その通りです。育児休業から復帰する女性営業職は復帰前からリーダーとのミーティングを重ねるなど、サポート体制も充実しています。おかげで、復帰後12カ月以内にフルタイムで活動する社員の割合は、この2年で約2倍に増加しています。
木村 トムセン社長ご自身は、仕事と家庭・育児をどう両立していますか。
トムセン 夫と対等なパートナーシップを築き、家事や子育てはシェアしています。出張していないときは、朝食と夕食は家族で一緒にというルールも決めて、ワークライフバランスを保っています。何より大切にしているのは、自分ひとりで頑張らないこと。公的支援のほか、地域や、夫、友人など周囲のサポートネットワークに頼ることが必要です。
木村 ひとりで頑張らないというのは、とても共感します。
トムセン また、忙しい中でも自分だけの時間を作り、ジョギングでリフレッシュしているんです。エネルギーを充電する時間を持つことは、長い人生のマラソンを走りきるためのカギだと思っています。
木村 御社の女性をサポートする視点は、社員だけでなく製品にも反映されています。ウーマンズヘルスへの取り組みについて、お聞かせください。
トムセン 痛みや不調など、周囲から理解されにくい健康課題は、生活や仕事に支障をもたらすことがあります。当社では、このような状況を「みえない多様性」と定義し、啓発・解決を目指しています。悩んでいる女性も多く、医薬品開発や患者団体との協力も不可欠です。私たちは女性疾患および、小児疾患に対する医薬品の開発にも何十年にわたり力を注いでいます。
木村 トムセン社長は、社外での活動にも積極的ですね。
トムセン 現在、神戸市と協働して健康寿命の延伸に取り組んでいます。また、2023年から米国研究製薬工業協会の在日執行委員会委員長として、日本の創薬力向上のため創薬エコシステム構築の必要性を提言し、政策反映のため日本政府に働きかけています。
木村 今後の展望をお聞かせください。
トムセン 当社には、より多くの革新的な医薬品を日本の皆さんにお届けしたいという強い思いがあります。DE&Iを推進することが社員の働く環境を整え、企業風土の醸成・変革に寄与します。その結果、世界に遅れることなく革新的な新薬の開発といったイノベーションを日本にもたらし、優れた医薬品や治療機会を提供することで、皆さんの健康維持に貢献できると信じています。

木村恵子の編集後記
トムセン社長は、会った瞬間からフレンドリーで、何でも話せる雰囲気をまとう方でした。ERGなどによって、社員一人ひとりが自分の意見を持ち、自信を持って考えを述べられる企業風土があるのもうなずけます。それに加え、多様な人たちの働きやすさにこだわり、会社全体がワンチームとなることで、ビジネスで良い成果を生み出していると感じました。現在、革新的な医薬品の研究・開発が進んでいるとのこと、期待がふくらみます。
提供:日本イーライリリー