好きなことならつらくても我慢できる

「働けばお金はもらえるけど、それ以上に、何かを奪われている気がしていて。未来を担う学生にとって、もうちょっと優しいシステムがあるといいなと思うんですよね」

 ユウタさんは10月いっぱいで家電量販店のバイトを辞めて、「もっとかしこい働き方」を模索するという。

「自分の好きなことなら多少つらくても我慢できると思うので、音楽関係のバイトをしようかなと。ミュージシャンとして有名になってやるっていう意気込みだけはあるので、そのときは是非また取材をしてください」

 若者を食いつぶす社会に、未来はない。ユウタさんが願う“もうちょっと優しいシステム”をつくることは、大人たちの喫緊の責務だろう。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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