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 あるラーメン店の店主が、食べ終わった後の丼にティッシュを入れる行為をやめるよう「X」に投稿し、論議を呼んでいる。無神経な客の悪行なのか、片付けやすいように気遣ったことが裏目に出たと取るべきか。

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 Xに今月、件の投稿をしたのは茨城県のラーメン店。
 
「スープが残っている丼ぶりの中にティッシュをブチ込むのはやめて下さい。当店、各所にゴミ箱あります。

 ブチ込まれると下げた途端にブチ切れる可能性が高まります。てか、自分が作る立場でコレをされても普通なのか、家でも当たり前のようにやってるのか……」
 
 この投稿に対し理解を示す反応がある一方で、
 
「東京のラーメンやさんでよく見る『衛生上、ご使用になられたティッシュは店内備え付けのゴミ箱へお願いします。』って貼札。効果あると思います。ご検討を。何の説明もないままに店主からいきなり愚行だとブチ切れられても、悪意がないお客さんは困惑すると思います」

 と客側を擁護し、店に工夫を求める意見も。

小競り合いは山ほど

 ティッシュが飛んでしまい調理器具や寸胴に入りかねないこともあり、こうした掲示をしているラーメン店は実際にある。
 
 これに対し店側は、
 
「大抵、このような事をする人は書いても読まない、見えない、見えなかった、わからなかった等を必ず言います。店内注意書きだらけになってしまいます」

 と反論した。
 
 ラーメン店などでは、店側のルールや“常識”と、客の期待や思いにギャップが生じた際、ネット上でこうした騒動が起こりやすい。
 
「飲食店では、こうした客と店側の小競り合いのようなできごとが山ほど起きているのは事実です」

 と話すのは飲食業向けの法務を扱い、自らも焼き肉店を経営する石崎冬貴弁護士だ。
 
 今回のケースも、店員が片付けやすいだろうと考え、良かれと思ってティッシュを入れた客がいることも想像はつく。だが、「ティッシュをスープが残った器に入れると、こびりついて捨てにくくなるので確かに困る」(石崎弁護士)と、迷惑行為だととらえた店との間で意識に乖離(かいり)があった。

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