参院徳島・高知選挙区と衆院長崎4区の衆参ダブル補選が、10月22日に投開票される。岸田文雄首相にとっては衆院の解散戦略、来秋の自民党総裁選にも影響を与える重要な選挙となる。岸田首相がこの大事な選挙の「顔」に据えたのが小渕優子・党選挙対策委員長だ。結果を残せるかどうかは小渕氏の今後のキャリアにも響きそうだ。勝って不名誉な呼び名「ドリル優子」を払拭(ふっしょく)することができるのか。
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10月14日、雨が降りしきるなか、阿波踊りの会場で有名な徳島市の「藍場浜公園」にやってきたのは、岸田文雄首相と公明党の山口那津男代表だ。
「こうして山口代表と並んで演説することは、そうありません。なんとしても、この選挙、みなさまに押し上げてほしい」
と声を張り上げた岸田首相。たしかに、連立を組む自民党と公明党のトップ同士が選挙演説で並ぶのは珍しい。
小渕氏の今後を占う選挙
「岸田首相としては補選を2連勝してはじめて解散・総選挙の戦略が立てられる。だが、2つとも大接戦で厳しい情勢です。党内では『小渕さんが選対委員長として機能していない』『姿が見えない』という批判もある。それもあって、岸田首相は山口代表と並んでマイクを握ったのでしょう。『ドリル優子』と揶揄(やゆ)されないようにするには結果を残すしかない。2つの補選に勝てるかどうかで、小渕氏の今後も決まってくる」
そう話すのは、自民党の閣僚経験者だ。
小渕氏は、関連政治団体の政治資金収支報告書の虚偽記載などが発覚し、2014年10月に経済産業相を辞任した。翌15年に元秘書2人が執行猶予付きの有罪判決を受け、小渕氏は長らく要職から離れていたが、今年9月の人事で党4役の一つ、選対委員長に抜擢(ばってき)された。
10月5日に告示された参院徳島・高知選挙区の補選には、無所属で元職の前立憲衆院議員の広田一氏(55)と、自民新顔の西内健氏(56)が立った。
選挙戦の初日、西内氏は茂木敏充幹事長と高知県で第一声をあげ、徳島県で小渕氏がマイクを握った。