「西内氏をぜひ当選させてください」「党本部としても絶対に負けられない」
などと訴えた小渕氏だが、群衆はまばらで、小渕氏の演説に足を止める人もそれほど見受けられない。
小渕氏来ても聴衆は少な目
今回の2つの補選は、選対委員長となったばかりだが、難しいかじ取りが迫られている。
参院徳島・高知選挙区は、自民党の参院議員だった高野光二郎氏の秘書への暴行が発覚し、議員辞職に追い込まれた末の補選だ。
高野氏は、飲酒した後に公設秘書に車を運転させて酒気帯び運転で立件されたこともある。その後、2022年12月に秘書を殴ってけがをさせたのが発覚し、辞めざるをえない状況となった。
「高野氏は高知市議から参院議員になり、合区になった際には徳島側の候補を下げさせて出馬しました。それが秘書を殴って参院議員をクビのような形で辞める。徳島の代表でもあるのでこちらもたまったもんじゃない。今も両者の間はスッキリしておらず、小渕氏が徳島に来た選挙戦初日も動員していないので、聴衆は少なく悲惨な状況でした」
自民党の徳島県議はそう話し、続けた。
「相手の広田氏は衆院高知2区で1度、参院高知選挙区で2度、当選した実績があり強敵です。小渕氏がしっかり動いて、徳島と高知を結束させないと危ういと思います。初日のガラガラの状況を見てもわかる通り、小渕氏が徳島では何かしている様子は見えないです」
金子氏も世襲三世
一方、10日に告示された衆院長崎4区の補選は、自民党の元地方創生相の北村誠吾氏の死去に伴うもので、立憲前職の末次精一氏(60)と、自民新顔の金子容三氏(40)の戦いだ。
北村氏が所属していた岸田派(宏池会)にとっては、派閥あげての選挙戦となる。岸田派ナンバー2の林芳正前外相が長崎入りし、
「おじいさん、お父さんも宏池会だった金子氏をぜひ国政に」
と声を張り上げた。
金子氏は、元長崎県知事の金子原二郎氏の長男で、祖父の岩三氏も農林水産相を務めた。政界のサラブレッドで、世襲の「三世」だ。