阪神の高山俊と北條史也が来季の戦力構想外となった。ともにプロ入り後の早いタイミングで結果を残し、さらなる飛躍が期待されたが伸び悩みが目立った。
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18年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた阪神の次なる目標は1985年以来となる2度目の日本一。関係者、ファンはポストシーズンの戦いに気持ちが向いているが、その傍らでチームは来シーズンへ向けても着々と動いている。
10月に入ってからはNPBの第1次戦力外通告期間が始まり、阪神は8選手(育成1名)に対して戦力外通告を行った。その中には、かつての“主力候補”だった30歳の高山と29歳の北條も含まれていた。
「高山と北條は野球ファンなら誰もが知っている選手なので話題になった。しかし客観的に見れば伸び悩み、近年は出場機会も激減していた。年齢的にも今後を考えればギリギリの線だったので驚きはない」(阪神OB)
高山は明治大で東京六大学リーグの通算最多安打記録(131本)を樹立。2015年のドラフト1位で入団すると1年目から打撃センスの高さを発揮、打率.275(494打数136安打)、8本塁打、65打点という成績で新人王を獲得した。
「1年目のキャンプから打撃はプロレベルだった。どんなボールにも逆らわず打ち返し、強く振れば柵越えできるパワーもあった。先輩選手が手を止めて打撃練習に見入っていたほど。1年目の活躍のまま球界を代表する安打製造機になると思いました」(阪神関係者)
しかし、2年目以降は成績が下降。今年は一軍に1度も呼ばれることなく、阪神を退団することになった。所属した8年間(実働は6年)の通算成績は330安打、20本塁打、135打点。ルーキー時代にファンたちが思い描いたようなキャリアを歩むことはできなかった。
一方の北條は青森・光星学院(現八戸学院光星)の主力として2012年夏の甲子園で4本塁打を放つ大活躍。同年のドラフト2位で入団した。プロ入り4年目には122試合に出場し、打率.273(385打数105安打)、5本塁打、33打点という成績を残し、早い段階でレギュラー定着の予感も漂わせていたが……。
「高校の先輩、巨人・坂本勇人のような攻守に優れた遊撃手になることを期待された。(伸び悩みの原因として)2018年に負った左肩亜脱臼のケガが影響もあっただろう。万全な状態でなくとも時折見せる勝負強さはチーム随一なので、まだまだ現役でやれるとは思います」(阪神関係者)
プロ通算11シーズン(実働は8年)で308安打、18本塁打、113打点。高山と同様に若い時期に頭角を現したものの、期待通りの成長曲線を描けなかった。