セリーグ球団の首脳陣は、こう語る。

「今年は不本意な成績に終わったので、移籍は考えていないでしょう。ただ、数年先のスパンで言えばゼロではないと思う。チームの功労者だし、楽天で現役を全うする可能性が高いが、田中将の投球スタイルはセリーグ向きです。直球の割合を減らし、スライダー、スプリット、ツーシーム、カーブと多彩な変化球で凡打に仕留める投球にシフトしている。パリーグは強いスイングをするバッターが多いので直球の球速が出ないと厳しいが、セリーグは140キロ台の直球でもキレがあれば、変化球とのコンビネーションで抑えられる。エースとなると厳しいが、先発ローテーションの3、4番手なら欲しい球団はあるでしょう。年俸との兼ね合いはあるが、実績十分で若手の良きお手本になりますしね」

 西武ロッテ、楽天と史上唯一の3球団で最多勝を獲得した実績を持つ涌井秀章(中日)は、4球団目に初のセリーグ球団に移籍。21試合登板で5勝11敗、防御率3.97をマーク。大きく負け越したが、8月以降は5試合登板で2.08と好投していた。

 優勝どころか、CS進出を逃した責任を誰よりも強く感じているだろう。田中将は復活できるか――。来季は野球人生のターニングポイントになりそうだ。

(今川秀悟)

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