9月27日にはYouTubeの番組に出演して、岸田首相のウクライナ電撃訪問について、

「岸田総理の決断はなかなかだ」

「ウクライナ訪問は俺が考えたと思っていた。だけど、どうもそうではない」

 などと官房副長官時代の内幕を笑顔で披露していた。

 木原氏は今回の人事を受けて周辺に、

「今度は党務で岸田政権を支えてくれと命じられた。身が引きしまる。いつ解散・総選挙があるかわからないのでしっかりやる」

 とやる気満々だという。

「ドリル優子」は森山総務会長がサポート?

 出世にかかわらず不評なのが、「ドリル優子」こと党の選挙対策委員長に抜擢された小渕優子衆院議員だ。2014年に自身の政治団体の不明朗な会計処理が発覚し、経済産業相を辞任。東京地検特捜部の家宅捜索前にデータを保存していたハードディスクが電動ドリルで破壊されていたことから、呼び名がついた。

 元秘書らが政治資金規正法違反で有罪となり、「潜伏」状態だった小渕氏。久しぶりの表舞台が、今回の就任記者会見だったが、事件のことを問われると目に涙をため、答えるのに精一杯。

「選対委員長が質問にまともに答えられないとは期待はずれもいいところだ」

 と自民党幹部は言い、さらに選対委員長から横滑りになった森山裕総務会長に触れて、

「岸田首相が森山氏を総務会長に起用したのは、小渕氏では選対委員長の荷が重いから、木原氏と同様、実質的には兼任させるつもりだ」

 とぼやいた。

自身の政治団体の問題に対する説明責任に関する質問に、声を詰まらせながら答える小渕優子氏=9月13日、永田町の自民党本部

 一方、いったんは役職を失ったのが前の党女性局長だった松川るい参院議員だ。

 岸田首相は内閣改造で女性の起用を目玉にしたいと考えていて、松川氏も一時は有力候補とみられていた。しかし、7月に党女性局でフランス研修に出向き、エッフェル塔の前でにこやかにポーズを決めた写真をSNSに投稿。これが、

「観光旅行か」

 などと厳しい批判を浴びた。松川氏は女性局長を辞任し、後任の女性局長には元北海道知事の高橋はるみ参院議員が就いた。

 松川氏とともにフランス研修に参加していた今井絵理子参院議員や広瀬めぐみ参院議員の名前も党役員などにはなかった。

“エッフェル塔ポーズ”をする松川るい氏(中央)
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