日本ハム・新庄剛志監督の続投が決まった。若手の育成を中心に手腕への評価は高まっているが、チームの行く末について懸念されている部分もある。
「ビッグボス」旋風を巻き起こし颯爽と北海道に戻ってきてから2年目のシーズン。「1年目はトライアウトそして2年目は優勝」を宣言して臨んだが、2年連続の最下位が濃厚となっている。
「可能性ある若手を育てようとしているのは分かる。失敗を重ねながら経験を積んだ選手の中には、大きく成長して結果を出し始めた者もいる。しかし優勝と公言してこの結果では『やはりビッグマウスだったか』という声があるのも事実」(北海道在住スポーツライター)
監督就任から若手中心の選手起用をして育成に注力した。今シーズン本塁打争いを演じている万波中正、清宮幸太郎、野村佑希などが打線の核になりつつある。またアリエル・マルティネス、郡司裕也(ともに前中日)、投手では田中正義(前ソフトバンク)といった新加入の選手もしっかりとチームの戦力になっている。
「新庄監督も戦える感触は多少は持っていたのだろうが、一方では(今季に関しては)現実も理解していたはず。万波、清宮の成長には手応えがあり、力のある選手が新たに加入した。しかし圧倒的に経験不足なのは否めない。新球場初年度ということもあり、優勝宣言はリップサービスの部分もあったのだろう」(日本ハム担当記者)
「育てながら勝つのは難しい。試合中の成功と失敗を繰り返すことで選手は大きくなるので時間が必要。よほどのことがなければ数年で優勝を狙うのは無理。ファン、関係者は長い目で見る必要がある」(日本ハムOB)
将来性ある若手選手の台頭は目立つ。また以前から話題となっているBOS(ベースボール・オペレーション・システム)を活用、他球団でくすぶっている選手を見つけ活躍の場を提供する巧みさがあった。
ただ、その一方で中堅、ベテラン選手の扱いが気になるという声もある。
「35歳の木村文紀、32歳の谷内亮太などは早々と現役引退を選んだ。今後も同じく現役を退く選手は出てくることも予想され例年以上に顔触れが変わるだろう。プロで経験豊富な選手が激減することがチームにどう影響するのか」(在京球団編成担当)