「今のような方法だと中堅、ベテラン選手は常に選手生活の終焉を意識することとなり、恐怖心との戦いも強いられる。38歳のベテラン左腕・宮西尚生もくすぶっている。一軍で確実に戦力になれるはずなのに昇格しない理由がわからない」(北海道在住スポーツライター)

 二軍本拠地の鎌ヶ谷にはどこか冷めた雰囲気も漂っているという。一軍での出場機会を得られているのは一部選手に偏っており、その他の選手に関しては先行きが見えないからだ。

「北海道と千葉という実際の距離もあるが新庄監督が鎌ヶ谷を訪れることはほとんどない。一軍に呼ばれている選手の基準がわからない選手も多いという。二軍も(イースタン・リーグで)7球団中5位と低迷しており、目標もない状況で集中するのは難しいだろう」(日本ハムOB)

「全体のウォーミングアップ時間ギリギリに車で球場入りする選手を見ると、気持ちが切れているのかなとも感じる。BOSというデータ重視でのチーム編成などで一軍へ上がれる基準がわからないことの弊害かもしれない」(在京球団編成担当)

 新球場の評判も上々でチーム状況と関係なく客足も予想以上に良いという。一軍だけを見れば成功への道を進みつつあるが、組織全体としては疑問符を感じる部分もある。

「新庄監督を招聘し、新球場開場と話題には事欠かない。しかしファンが望む要素には勝利があるのを忘れてはいけない。チーム編成や二軍の在り方などを再検証する必要があるのかもしれない」(北海道在住スポーツライター)

 現在の日本ハムには光と影が存在するのは間違いない。来季も期待がある一方で不安もよぎる。新庄監督は果たして就任3年目の来シーズン結果を残せるのだろうか。チームの勝利に必要なのは若い力だけではないはずだ。

[AERA最新号はこちら]