今年8月にはテキサス州の地方裁判所で、元交際相手の男性に親密な写真をオンライン上に掲載された女性を「リベンジポルノ」の被害者として認定。女性に精神的苦痛を与えたとして2億ドル(約297億円)、懲罰的損害賠償として10億ドル(約1400億円)の支払いを命じた。
今回の問題でも、アメリカで提訴される可能性が報じられている。東スポWEBは9月5日、「『ジャニーズ性加害』海外でも進む訴訟準備…約3560億円の賠償額を請求された団体も」の記事を配信した。ハワイで被害を受けた元タレントが存在し、アメリカ国内での民事訴訟を検討しているという内容だった。
「ハワイでの被害事例ですが、現地の裁判所に提訴しても『日本で裁判を行いなさい』と言われる場合があります。その場合は日本の裁判所で、ハワイの法律にのっとって裁判が開かれる場合があります。そして日本で判決が下る場合、懲罰的損害賠償は認定されません。また、もしハワイの裁判所で判決が下り、懲罰的損害賠償が認められたとしても、通常の損害額を超えた『懲罰的』な部分の損害額については日本国内のジャニーズの財産に執行することはできません。今回のケースは、あくまで日本で裁判が進むことを前提に、賠償額がどこまで積み上がるのかを考えるべきでしょう」
ジャニーズの財務内容は開示されていないが、芸能界でも屈指の売上高を誇り、年商1000億円と報じたメディアもある。たとえ日本に懲罰的損害賠償の法制度がなくても、「法を超えて」しかるべき賠償額を支払うべきだろう。
(井荻稔)