藤浪晋太郎(オリオールズ)がメジャーで生き残るために奮闘している。
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昨オフに阪神からメジャーへ移籍し、最初に所属したアスレチックスでは苦戦が目立ったが、中継ぎ転向後の“ポテンシャル”が評価され7月にオリオールズへトレードされた。移籍後も中継ぎを任され、ここまで27試合の登板で2勝0敗、2ホールド2セーブ、防御率5.00の成績。防御率は決して低くないものの、相手打者を力でねじ伏せることも多く、大事な場面で起用されることも増えてきた。
「移籍当初はブルペン陣の1人という扱いでマイナー降格もあり得る立場だった。ストライク先行の投球ができて試合を壊さないようになり、状況に応じての出番が増え始めた。ポストシーズンでもそれなりの役割は任されるはず」(在米スポーツライター)
藤浪の今季年俸325万ドル(約4億8000万円)はメジャーでは高額ではなく、移籍後の負担分はさらに安価となることがオリオールズには大きかった。藤浪にとっても、プレーオフに進出したチームで大事な役割を任せられることは、アスレチックス時代の“酷評”を考えれば幸運ともいえるだろう。
「以前から取り組んできたメカニズムに沿った投球フォームへの修正ができつつある。自分に適した体の使い方を見つけたことで与四球数が減っている。球に力はあるのでストライクゾーンに入れば米国でもそこまでは打たれないはず」(MLBアジア地区担当スカウト)
渡米後はキャッチボールや壁当てで体の使い方を確認する姿が見られた。スムーズな投球フォームで力強い球を投げられるように試行錯誤していた。時間はかかったが移籍前後の時期に少しずつ“正しいフォーム”が身についたようだ。
「メジャーでずっといても経験できないことかもしれない状況で投げて、プレーできていることにすごい喜びを感じている」と藤浪本人が語ったように、移籍は両者にとって良い方向へ進んでいる。
「チーム内での信頼度は上がっている。しかし短期決戦のプレーオフでは制球難の心配が大きい右腕を大事な場面で起用するかは未知数。来季以降の契約を考えても、藤浪はここから先が重要。良い契約を勝ち取るためにもプレーオフは自らを売り込む大チャンスになる」(在京テレビ局野球中継担当者)