ラグビー日本代表の主将・姫野和樹

 ラグビーのワールドカップフランス大会で、日本は現地時間17日(日本時間18日)に南仏ニースのスタッド・ド・ニースでイングランドと対戦し、12-34(前半9-13)で敗れた。プールDの初戦ではワールドカップ初出場のチリから6トライを奪って42-12で勝っており、これで1勝1敗の勝ち点5。プール内の順位は得失点差でサモアに続く3位となっている。

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 試合は前半4分にイングランドがPGを先取。しかし、日本は15、23分とSO松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が連続PGを決め逆転する。松田はチリ戦で難しい角度のものも含めてトライ後のコンバージョンキックを6回とも成功しており、キックの好調を維持してこの試合も先発していた。

 ところが、勝ち越し直後の24分にイングランドにトライを許してしまう。ゴールも決まって6-10とリードを奪われる。32分に松田のPGで1点差に詰め寄るが、前半終了間際にイングランドにPGを決められ、9-13とされてハーフタイムに入った。

 1トライで逆転できる点差で後半を向かえた日本。14分にこの試合4本目の松田のPGで再び1点差に詰め寄った。ところが、その2分後に思いがけない形でイングランドにトライを許すと、26分、さらには、試合終了直前にもイングランド4本目となるトライを奪われ、ノートライの完敗を喫した。

 悔やまれる点はいくつもある。

 試合開始直後のイングランドのPGはインゴールでのボール処理のミスがなければ防げたはずで、前半の失トライは自陣5メートルでの日本ボールのラインアウトを奪われたところから。また、後半16分のイングランドのトライは、日本のゴールライン目前でイングランドが左オープンに展開したボールをイングランド選手が後方に逸らし、別の選手の頭部に当たって前にはねたところをゲームキャプテンのローズが捕ってインゴールに持ち込んだ。「ヘディング」をしたプロップのマーラーは試合後に「練習の成果」と話したが、見る限りは偶然の産物のプレーがなければボールは繋がらなかったはずだ。

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実力は「世界最上位グループ」ではない?