ところが、税収は増えても、減税の話は全く出ない。五公五民と言えば江戸時代の重税を指す言葉として日本史の教科書にも載っているが、Xでは「♯五公五民」というハッシュタグが拡散しているほどだ。

 なぜ、岸田首相は国民の悲痛な声に耳を傾けないのか。そのひとつに「宏池会」というキーワードがたびたび上がる。

自民党派閥『宏池会』(現在の岸田派)は、1957年6月に池田勇人元首相を中心に結成されました。池田のほかにも、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一、岸田文雄という5人の首相を輩出した名門派閥です。うち池田、大平、宮沢の3氏が旧大蔵省のエリート官僚。それゆえ、宏池会は官僚出身の政治家が多いという伝統があり、いわゆる“政策通”が目立ちます。一方で、政争は苦手という評価が定まっており、『公家集団』とやゆされることもあります。SNSでは『岸田首相は財務省べったりの宏池会出身だから、庶民の苦しみが分からず重税を課すのだろう』などの批判も少なくありません」(週刊誌記者)

 宏池会の生みの親である池田勇人元首相と言えば、「貧乏人は麦を食え」の放言があまりにも有名だ。これは大蔵大臣(当時)だった1950年12月に飛びだした。「経済原則を重視するという比喩」と擁護する見解もあるが、この年の3月には「中小企業の一部倒産もやむを得ない」との発言も猛バッシングされた。

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「鬼よりこわい、ニッコリ笑って税をとる」