海外の屈強なFWとも渡り合える身体能力は大きな魅力で、課題の“荒さ”も経験を積んだ中で改善されて来ている。日本代表での出場は2021年9月が最後。年齢を重ねたことでひと回り大きくなっている男をもう一度、代表舞台で試してみたい。

 そしてロシアW杯と言えば、乾貴士(清水)である。1988年6月2日生まれの35歳。スペイン1部リーグで6シーズンに渡って活躍し、W杯舞台でベルギー代表から得点を奪った“ヒーロー”だ。だが、2019年3月を最後に日本代表には選ばれていない。もちろん理由は分かる。年齢的にここから肉体的な成長は難しい上に、得意とする左MF(WG)のポジションは激戦区である上に三笘薫(ブライトン)というエースが誕生したからだ。

 だが、今季もJ2の舞台ではあるが、7月の大分戦で長距離ドリブルから超絶ミドル弾を決めるなど“輝き”を見せている。1試合5人交代制となった今、短い時間でも試合の流れ、スタジアムの雰囲気を変えることができる優れたタレント性を持つ天才MFを、試合終盤の切り札としてベンチに置いておくのは“アリ”なのではないか。日程的な面を考えて「J2からは選ばない」とわれているが、J1昇格を果たした際にはもう一度、代表ピッチで乾のプレーを見てみたい。

 さらにハリルホジッチ時代の“ホープ”だった井手口陽介(福岡)も、再び日本代表のユニフォームに袖を通してもらいたい一人だ。1996年8月23日生まれの27歳。G大阪時代の2016年11月に20歳でA代表デビュー。中盤の底から激しいプレッシングとダイナミックな攻撃参加で、W杯最終予選の“救世主”となったが、その後の海外移籍が裏目に出る形でロシアW杯メンバーから落選し、以降は怪我による長期離脱もあって不遇の時が続いている。2019年夏に復帰したG大阪で好プレーを見せて同年11月に代表復帰を果たしたが、2度目の海外挑戦も失敗に終わると、地元・福岡に戻って迎えた今季も開幕直後に右足骨折で長期離脱を強いられた。

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井手口は復帰後にJリーグで高パフォーマンス