巨人・ブリンソン(写真提供・読売ジャイアンツ)
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 ペナントレースも終盤戦を迎え、そろそろ来シーズンのことも気になる時期となってきた。特に判断が難しいのが外国人選手だ。ここ数年はなかなか“大当たり”と言える選手が少なく、期待されながら二軍暮らしが続くケースも目立つ。それだけに戦力となる外国人プレイヤーは以前にも増して貴重で、ミエセス(阪神)については早くも残留報道が出ている。今シーズン加入した新外国人選手で生き残ることができるのは誰なのか。これまでのプレーぶりとチーム事情から探ってみたいと思う。(以下、文中の成績は全て8月31日終了時点)

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 セ・リーグの投手でまず当確と見られるのがウェンデルケン(DeNA)だ。ここまで46試合に登板して25ホールド、防御率1.60をマーク。46試合に登板して失点したのはわずか7試合で、被本塁打1というのも立派な数字だ。今年で30歳という年齢からメジャー復帰という可能性も考えられなくはないが、チームにとっては貴重なリリーフの柱であり、今年以上の条件で早々に残留を要請することになりそうだ。

 同じDeNAでは元サイ・ヤング賞右腕バウアーも先発で見事な成績を残しているものの、こちらは去就が微妙だ。DV規定違反で長期の出場停止処分を受け、当時所属していたドジャースから契約を解除された経緯を考えると、メジャー復帰の可能性は低いと見ることもできる。だが、日本で十分に通用することを証明したことで、NPBの他球団が調査に乗り出すことも十分に考えられるだろう。DeNA入団を決めたのは以前から親交があったことが大きいと見られているものの、条件面で大きく上回る球団が出てきた時には移籍という選択肢もありそうだ。

 セ・リーグの他の投手では貴重な先発要員となっているピーターズ(ヤクルト)、グリフィン、メンデス(ともに巨人)、メヒア(中日)、途中入団ながらリリーフで存在感を見せているバルドナード(巨人)もコンディション面で問題がなければ、チーム事情を考えても残留の可能性が高そうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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残留を一気に引き寄せた打者は?