なぜ確保できないか、その答えは皇位継承者を「男系男子」に限定しているから。私の中ではすっきりとしていて、それさえ変えればいいのにと思う。が、それだけは変えてはならないと考える人たちがいて、国会議員に大きな影響を与えている。

2019年8月、愛犬の「由莉」とともに、那須御用邸の敷地内を散策する天皇、皇后両陛下と愛子さま(代表撮影)

 愛子さまは、ずっと「安定的皇位継承が確保できない」現状と共に育ったのだ。これを思うと、切なくなる。成人した愛子さまが立派な振る舞いをしているのは、本当に素晴らしい。そこに至るまでにどれだけのことを呑み込み、克服してきたのだろうと想像すると、勝手に苦しくなる。愛子さまも雅子さまも、自由に髪を切ったり伸ばしたりする。それだけですむ世界になってほしいと、私は願っているのだ。

皇室は「寿退社」しか決まりのない会社 

 ところで、愛子さまは来春、大学を卒業する。いずれ留学するのだろう、と思っている国民は多いはずだ。私もその一人だが、愛子さまにはそれが「盛大なモラトリアム」なのだと思うと、心がちょっと痛くなる。

 陛下も雅子さまも英国への留学経験があるが、お二人とも目的がはっきりしていた。陛下なら「天皇」、雅子さまなら「外交官」、歩んでいく道があり、その幅を広げるための留学だった。だが、愛子さまはどこに歩んでいくか、明確ではないのだ。何度も書いているが、皇室典範は女性皇族について「天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」としか規定していない。「寿退社」しか決まりのない会社。皇室のことを、何度もそう書いている。

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