健康・医療・スポーツ領域とデータサイエンスを掛け合わせた健康データサイエンス学部など、他の専門領域×データサイエンスの学部を新設する大学もある。

「22年度から高校では『情報Ⅰ』が共通必履修科目となり、プログラミングやデータ活用について学ぶようになっています。データサイエンスについてある程度の知識を持っている学生が入学してきます。データサイエンスを全学共通科目や副専攻として学べる大学もありますから、データサイエンスは『21世紀のリテラシー(知識を活用する能力)』といっていいでしょう」

 ②の女子大学の総合大学化についてはどうだろう。

「複数の女子大の募集停止が話題になりました。志願者が減少しているからだとみられていますが、理由の一つは女子のキャリア選択の幅が広がってきたことです。結婚、出産などのライフステージ後もキャリアアップしたいと考える女子が増えています。法学部などの社会科学系の学部や、工学部など理工系の学部を志向する女子が総合大学に進学するようになりました」

 女子大も志願者減に甘んじているわけではない。もともと就職実績が高く、学生のリーダーシップが発揮しやすい環境にあるといわれる女子大学。受験生を引きつけるためにさまざまな取り組みをしている。その一つが総合大学化だと小林所長は指摘する。

「女子大には伝統的に家政系、語学系の学部が多いのですが、最近では工学部や建築学部など理工系の学部を新設する大学が増えています」

 従来の女子大の枠にとらわれない幅広い学びの場を提供しようとしているのだという。

自分の興味関心を見極めてほしい

 ③の体育系学部のスポーツ系学部への進化にはどのような背景があるのだろうか。

 大学の体育系学部はもともと体育教員やトップアスリート、トレーナーの養成に主眼を置いていた。プロスポーツやスポーツ動画配信サービスが広がり、さらにはコロナ禍でスポーツの意義があらためて見直されてきた。その結果、マーケティングなどを含め、広義にスポーツを学べる学部が開設されていると小林所長は話す。

「スポーツ×健康といったように、高齢化社会のなかで予防医学的な観点からスポーツを活用しようとする流れもあります。生活の中にスポーツが浸透するなか、企業と連携して商品開発を行う大学も出てきています。これはいままでになかった動きです」

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大学選びのポイントは?