写真はイメージ(Getty images)

 コロナ禍で大学の学びや大学選びは大きく変わりました。学部新設など最新トレンドを踏まえた大学選びのポイントとは? リクルート進学総研の小林浩所長に聞きました。発売中のアエラムック「就職力で選ぶ大学2024」(朝日新聞出版)より抜粋して紹介します。

【図版】大学選びの最新トレンドを押さえるための3つのキーワードはこちら

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 コロナ禍で大学の学びは大きく変わった。キャンパスへの入構が制限され、対面型授業からオンライン型授業へのシフトが起こり、デジタル化が一気に進んだ。

 大学選びも大きな変化があったと話すのは、進学から就職までを視野に入れた各種調査や情報発信を行うリクルート進学総研の小林浩所長だ。

「これまでは年明け1月の大学入学共通テスト、2月からの一般入試、3月の合格発表といったスケジュールが一般的でした。それが、年内に合否が決まる学校推薦型選抜、総合型選抜によって大学に入学する傾向が強まっています。特に、私立大では定員の6割程度がこの二つの選抜による入学者になっています」

 コロナ禍で入試の中止や日程変更が起きたことで不安を感じた受験生、保護者、高校の進路担当教員が「早く大学を決めたい」と考え、学校推薦型・総合型選抜を志向するようになった。

「志望大学を絞り込むための情報収集も早めに行う必要が出てきました。偏差値やネームバリューだけでなく、大学卒業後の進路も考え、早めに自分の軸をつくっておけるといいですね」(小林所長)

 大学選びの際には学部新設など最新トレンドを押さえておきたい。小林所長が指摘するのは三つのキーワードだ。

①データサイエンスのリテラシー化

②女子大学の総合大学化

③体育系学部のスポーツ系学部への進化

大学選びで押さえておきたい3つのキーワード

データサイエンスを共通科目として学ぶ

 順に詳しくみていこう。

 まず、①のデータサイエンスから。2017年ごろから、社会で足りないデータサイエンティストを養成するデータサイエンス学部を新設する大学が増えている。ただ、最近は少し傾向が変わってきたという。

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女子大の総合大学化