株式会社ライフヴェーラ、みらい女性倶楽部代表で、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さん。損害保険会社を退職後、10年間の専業主婦を経て、ファイナンシャルプランナーに。毎日を笑顔で過ごすためのお金やキャリアの情報を発信中
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『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)の著者でファイナンシャルプランナー(FP)の鈴木さや子さんが、8月、朝日カルチャーセンターで「4つの視点で考える『わたし』に合う資産形成」をテーマに講座を開いた。鈴木さんは、専業主婦から一念発起してFPになり、いまは「いつでも会いに行けるFP」として月に数回、「スナックデルソーレ」でママも務めるという異色の存在。「使う」ことを考えながら資産形成を考えるというやり方も、オリジナルだ。リアルとオンラインのハイブリッドで行われた講座を、ダイジェストで紹介したい。

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 講座は、鈴木さんから受講者への質問から始まった。最初の質問は、「最近『買ってよかった』『お金を使ってよかったな』と心底思ったものはどんなものですか?」。自分がいちばんワクワクすることを見つけるための質問だ。鈴木さん自身は、趣味のオーボエで子どもたちのために演奏会をする際にお金を使ったときに、「使ってよかった」と感じたという。

 二つ目の質問は、「100歳になったご自身をイメージしてみてください。どんな状況だったらうれしいですか?」。これは、「ありたい老後」を具体的にイメージするための質問。鈴木さんが思い描く「100歳の自分」は、自力で歩けて、ほんの少しでもいいからお金を稼ぐことができて、周りにはおしゃべりできる相手がたくさんいる――というものだった。

 資産形成のやり方は百人百様。資産形成のためには「毎日ラテを買うのはやめて水筒を持ち歩いて」というアドバイスをするFPもいるが、「ラテを買ったっていいんです。それでその人がワクワクできるなら」と鈴木さんは話す。そもそも、資産形成で大切なのが「使う」という視点。どんなにためても使わなければ意味がないのが「お金」だからだ。鈴木さんが、資産形成を考えるとき、「稼ぐ」「貯める」「増やす」に加えて「使う」という視点を大事にするのはそのためだ。

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「使う」不安を払しょくするには