今オフにフリーエージェント(FA)となる大谷翔平。今季も本塁打を量産し、投手としては右肘靭帯損傷で絶望となるまでサイ・ヤング賞の候補となる投球を見せるなど、その契約額は“天文学的な数字”になると予想されている。
【写真】これぞ“神の領域”! 数々の偉業を達成したスラッガーといえば
メジャーではもともと年俸高騰の傾向があったが、ここ数年はさらに勢いが増して日本では考えられない額が飛び交っている。しかし、その高額の給料に見合った働きをできていない選手は決して少なくない。
近年で最大の失敗例の1つになる可能性が高いのが、エンゼルスがアンソニー・レンドン三塁手と結んだ7年総額2億4500万ドル(約357億3000万円)の契約だ。レンドンはナショナルズ時代の2019年に打率.319、34本塁打、ナ・リーグトップの126打点をマークして、チームのワールドシリーズ制覇に貢献。個人でもMVP投票で3位となるなど、最高のタイミングでFAとなり、大型契約でエンゼルス入りを果たした。
しかし、エンゼルス入団後は怪我の影響があるとはいえ急激に成績が低迷。2020年はコロナ禍で試合数(60試合)が大幅に短縮されてはいるが、移籍後4年間で60試合以上出場したシーズンはない。ここまでエンゼルスで記録したヒット数(179本)も、ナショナルズ時代の最終年にマークした本数(174本)とほぼ同じで、いかに移籍後は成績が低迷しているか分かるだろう。
今年も股関節、左手首、左すねの負傷で3度のIL入り(故障者リスト)となり、18日には今季絶望であることが報道された。
まだ契約期間は残っているが、すでに「戦力外にすべきか、そうでないのか」を検証する記事すら米国では出ている。また、大谷とマイク・トラウト外野手というメジャー屈指の好プレイヤーを抱えるチームの成功のためにも「レンドンの活躍があれば……」といった声も少なくない。
エンゼルスは過去にもジョシュ・ハミルトン外野手、アルバート・プホルス一塁手といった大型契約で入団した選手が、“不良債権化”してしまったことでチームプランが崩れてしまったことがあるが、レンドンもその不名誉な系譜に連なってしまうのか。勝てるチームでのプレーを望む大谷がエンゼルスに残留するかの決断にも多少なりとも影響を与えそうでもある。