
「ああそうなんだ、こういう子はシェルターでずっと見てくれてる人がそばにいたほうがいいんだろうな」と思い、その時は「迎えたい」と言いだせませんでした。
それでも、可愛さがどうしても忘れられなかったので、ダメ元で「『しろ』を迎えられないか」と相談したら、「大丈夫です」と。
OKの返事が嬉しくて、泣きそうになりました。
そして電話した翌日に、「しろ」をお迎えにいきました。シェルターでは“しろ氏”と呼ばれ可愛がられ、涙するスタッフもいました。絶対に幸せにしたい!と思ったものです。
マンションに「しろ」を連れてくるとすぐに慣れて、「まふ」ともすぐに打ち解けました。

ただ、「しろ」は口の中の状態が悪く、常によだれが垂れ、歯茎からも出血してしまったので、動物病院で相談したら、「抜いた方がいい」と言われて。
麻酔のリスクもあるので悩みましたが、「この先食べられなくなるよりはいいのかな」と思い、事前に血液検査をしてみました。数値に問題がなかったので、結局、犬歯3本以外を全部抜いたんです。そうしたら、口内も落ち着き、腫れ気味の顔もシュッとしました。
年齢については、獣医さんも「確かにおじいちゃんだけど、何歳かわからないねえ」と。

変化もありました。
食事は最初、カリカリ(ドライフード)が食べられませんでしたが、試行錯誤の末、今は水分の多いパウチ(ウエット)にカリカリを混ぜたものを食べてくれます。あまり動かないかなと思ったら、素早く走るようにもなりました。食事の後とトイレの後、びゅーんと。
オモチャでもよく遊んで、俊敏に手を動かしたり追いかけたり。
団体に伝えたら、「シェルターでは、ぜんぜん遊ばなかったのに」と驚かれました。
「しろ」は若返ったのかなあ。それともおじいさんに見せかけて案外若かったりして(笑)。