「まふ」(左)と実家の「ぽん」(提供写真)

 検査をすると、もう一匹はエイズが陰性ですぐ家族が見つかったけれど、「まふ」は陽性だったので、可愛く人懐こいながらも「譲渡が半年も決まらずにいた」とのことでした。

 私は、エイズキャリアについての知識は得たものの、一人暮らしで世話が平気かなと少し気になり、母に相談すると「しばらく実家で(「まふ」と)暮らして様子をみれば?」といわれ、その間に、ペットが飼えるマンションを探すことにしました。

 実家に迎えた「まふ」は本当におっとりして他の猫に威嚇せず、すぐに私のお腹の上でフミフミ。ただ、慌てて食べると吐く癖があったので、少量ずつ餌をあげる工夫はしました。

 エイズキャリアが心配でしたが、「普通の健康な猫」と同じでした。これなら一人暮らしでも大丈夫と確信し、2カ月後の11月、実家のそばのマンションに連れていきました。

 でも急に1匹になったせいか、私の後追いをするようになりました。実家ではしなかったのに、鳴いてお風呂にまでついてきて。「猫仲間が必要」と思い、「まふ」を譲ってもらった団体に連絡をしました。

 じつは、気になる猫がいたのです。

キュートなおじいちゃん猫「しろ」(提供写真)

おじいちゃん猫の若返り

 昨年「まふ」に会いに行った時、ケージの裏の隙間に白い猫が隠れていました。それが「しろ」です。

 持っていったおやつをあげたらおいしそうに食べて。しかもケージから出してもらったら、いきなり私の膝にも乗ってくれて……。

 胸がときめいて、「この子、可愛いですね」と団体の方に言ったら、「この子は年齢もわからないし、体もボロボロですよ」と。もともとお外でボスとして8年くらい君臨して、年を取り引退。優しい性格だからそのまま町にいたところ、食が細くなり心配になって2年ほど前に保護したそうです。でも何しろおじいちゃんなので、譲渡はせずに団体で看取るつもりということでした。

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