仲良しの「まふ」(上)と「しろ」(提供写真)
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飼い主さんの目線でのストーリーを紡ぐ連載「猫をたずねて三千里」。今回は、東京・八王子で車関係の仕事をするはるなさん(26歳)のお話です。一人暮らしのワンルームに、2匹の猫を迎えました。1匹は元飼い主がアパートに置いていった猫、もう1匹はある地域で長くボスだった高齢猫。施設に保護されても縁遠かった猫たちが、今は一緒に幸せそうに暮らしています。

【写真】相性バツグンの「まふ」と「しろ」

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 昨秋から、2匹のオス猫と暮らしています。6歳の「まふ」と、年齢不詳の「しろ」です。

「まふ」は長毛でふわふわ。「しろ」は短毛でまっ白。どちらもおとなの猫ですが、特に「しろ」は出会った時から見るからに老猫でした。でもおじいちゃん猫の可愛さは格別です。

 そもそも私と猫とのつきあいは長く、物心着いた時から実家に3匹いました。私は三姉妹ですが、保育園の頃から猫も“きょうだい”のように育ちました。4年前に2匹が旅立ち、「まろん」という猫が1匹になり寂しそうでしたが、新たな仲間ができて安心。

 その後、社会人として独り立ちできるようになった私は「一人暮らしで自分も猫を飼おう!」と決めました。

 そうして自分の家族として探したのが、「まふ」なのです。

ひっくり返ってポーズをきめる「まふ」(提供写真)

猫エイズキャリアの心配

「まふ」は、昨年の夏の終わりころ、保護猫の里親探しサイトで見つけました。

 すでにおとなの猫でしたが、ひと目見て「あ、可愛い」と心が動きました。紹介文に猫エイズ(陽性)とありましたが、「まふ」のことが頭から離れませんでした。

 9月、「まふ」のいる愛護団体のシェルターに会いにいきました。実際の「まふ」は写真で見るよりも小さく、そして本当に可愛かった。

 団体の方に体調について伺うと、猫エイズといってもキャリア(保持)の状態で発症はしておらず、「十分な餌と雨風をしのげる環境であれば、猫生をほぼ全う(長生きも)できる」「強く咬んだりしなければ他の猫への感染の可能性も低い」とのことでした。

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水野マルコ

水野マルコ

水野マルコ/1961年生まれ。ライター。猫と暮らして30年。今は優しいおばあちゃん猫と甘えん坊な男子猫と暮らしています。猫雑誌、一般誌、Web等での取材歴25年。猫と家族の絆を記すのが好き。猫と暮らせるグループホームを開くのが夢。

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