AERA 2023年8月28日号より
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 関東大震災から100年。今一度、防災への備えを見直したい。在宅避難を想定した場合、整えておきたい準備のなかでも、特にトイレの備えが重要だ。AERA 2023年8月28日号より。

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 阪神・淡路大震災では約32万人が近くの学校などに避難した。東日本大震災は47万人。一方、首都直下地震では避難所に約290万人、南海トラフ地震では約460万人と、桁違いの人数が予想されている。

「収容力を超えた避難所では、飲食料等の物資が不足。当初予定していた体育館や一部教室だけではなく、廊下や階段の踊り場等も避難者で一杯となる可能性がある」

「避難所の生活ごみやし尿が回収されず、衛生状態が急速に悪化する」

 東京都の被害想定は、こう書いている。

大切なトイレの備え

 自宅が無事で、延焼などのリスクが小さい時は、在宅避難でサバイバルした方がいい。そのためには、まず自宅が大きく壊れないように診断・補強をしておくこと、そして冷蔵庫や食器棚、大きな家具の固定など宅内の安全確保を進めておくことだ。

 冷房対策はすぐには難しいので暑い時期に大災害が起きないことを祈るしかないが、そのほかの準備は整えておきたい。水や食料、携帯トイレなどを最低3日分、可能であれば1週間分備蓄することが推奨されている。スマートフォンの充電ができるように、モバイルバッテリーや、手回し式充電器、小さな太陽光パネルなどを用意するのもおすすめだ。

 手薄なのはトイレの備えだ。1人1日5、6回は使うが、水道、下水道、電気のどれか一つでも止まると平常時のようには使えなくなる。内閣府は、南海トラフ地震では約9700万回分、首都直下地震では約3200万回分、不足すると想定している。トイレを減らそうとして水分摂取を控えると、脱水症状や静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)などを引き起こすおそれもある。

 自治体などが作る避難マニュアルでは、「下水管の安全が確認できるまではトイレを使わない。水を流さない」と書いてある。十分点検しないまま使ってしまうと上層階の汚物が下の階のトイレから噴出してしまうようなトラブルが発生するからだ。

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