大会後に日本高野連から発表されたU-18ワールドカップ(8月31日から台湾で開催)の高校日本代表20人から、佐々木が漏れたことも大きく報じられた。同じく左のスラッガーの広陵・真鍋慧、九州国際大付・佐倉俠史朗も選外に。短期決戦では守備力とミート能力を兼ね備えた選手が重宝される。スラッガーとして突き抜けた打撃を見せれば選出の可能性があったが、今回の選出は致し方ないだろう。

 佐々木は今大会を終え、将来の進路を明確にしなかった。プロ入りを目指すか、大学進学か――報道では、「大学で4年間力をつけてからプロ入りした方がいい」という論調も見られるが、プロの各球団はどう評価しているだろうか。

 セリーグのある球団の編成担当は、「プロ志望届を出したら間違いなくドラフト1位で消えるでしょう」と断言する。

「もちろん、今の打撃では通用しない。バットが体の奥に入りすぎているので、出てくるのが遅い。内角の直球に差し込まれ、外角の変化球に泳がされるのはそれが原因です。スイングの軌道も改善の余地がある。上半身の力に頼ってかちあげるような打ち方をしているので、打てるゾーンが狭くきっちりミートできていない打席が目立つ。ただ、スイングスピードの速さは高校生の中で群を抜いている。スイングスピード、体が大きいことは天性の才能で鍛えることに限界があるんですよ。プロで打撃フォーム、スイングの軌道を見直せば劇的に改善できる。むしろ、大学に進学して今のフォームのまま打ち続ける方が、将来を考えると遠回りになる。ホームランアーティストの素材で言えば、村上宗隆ヤクルト)に引けを取らない。守備も下手だと言われていますが、スローイングは安定しているし問題視するほどではない。みっちり鍛えれば大丈夫です」

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