高校通算歴代最多の通算138本塁打をマークした花巻東・佐々木麟太郎の最後の夏は、不完全燃焼に終わった。
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初戦の宇部鴻城戦は猛打賞をマークしたが、2回戦のクラーク国際戦では4打数無安打。内野ゴロ3つに空振り三振と打席内容も良くなかった。3回戦・智弁学園戦は6回に中前適時打を放つなど今大会2度目の猛打賞。「みちのく対決」となった準々決勝・仙台育英戦は4打数無安打に倒れ、チームも4-9で敗れた。9点差を追いかける9回2死二、三塁の最終打席で二ゴロに倒れ、ヘッドスライディングも及ばず。ユニフォームを泥だらけにして涙を流した。
今大会は4試合出場し、16打数6安打で打率.375。期待された甲子園でアーチは見られなかった。
現地で取材したスポーツライターはこう振り返る。
「対戦相手が徹底的に研究していましたね。『世代最強スラッガー』と騒がれている佐々木に打たれたくないという意地もあったでしょう。内角の直球、外角に落ちる変化球の組み合わせを徹底していた。佐々木は県大会で背筋を痛めた影響があったと思います。もっと強引に振ってもいいと思いますが、責任感の強い選手なのでチームを勝たせるための打撃に徹していた印象がありました。取材していても感じるのですが、我が強くないんですよね。体格はデカイのですが、性格は繊細です。責任を背負い込むタイプなので、イメージしていた打撃ができずに苦しかったのではないでしょうか」