心筋梗塞は血管が完全に詰まってしまった状態で、その部分から先に酸素や栄養が行かず、心臓の筋肉が壊死(えし)してしまいます。早急な治療が必要で、治療が遅れると命の危険があります。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は毎年、全国の病院の1年間の手術数を調査しており、創刊21年目を迎えた2023年版では、2021年1年間に実施された手術数のランキングを掲載しています。ここでは、心筋梗塞や狭心症などの治療としておこなわれる「心カテーテル治療数」の全国ランキングをお届けします。
【病院ランキング】心筋梗塞カテーテル治療数全国1~40位の病院はこちら 救急トップ10も
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週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は手術数を指標とした病院選びガイドとして2003年に創刊し、今年は21年目となります。各種のがん、心臓病、脳疾患、首・腰など、治療法別に30種類の設問が異なる調査用紙を作成し、全国4000を超える病院に対し約2万6千枚を配布。2022年9月から23年1月までの調査期間に回答のあった病院を、全国、地方別にランキング化しています。のべ4845病院を掲載しています。
今回紹介するのは「心カテーテル治療」。PCI(経皮的冠動脈形成術)と呼ばれる治療で、手首や腕、足の付け根の血管から、カテーテルと呼ばれる細くて柔らかい管を挿入して心臓まで到達させ、さまざまな処置をおこなう治療方法です。
高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満、運動不足、加齢などにより動脈硬化が進んで血管が硬くなると、途中で狭くなったり(狭窄、きょうさく)詰まったりして血流が悪くなり、虚血性心疾患と呼ばれる心筋梗塞や狭心症を引き起こします。
心筋梗塞は血管が完全に詰まってしまった状態で、その部分から先に酸素や栄養が行かず、心臓の筋肉が壊死してしまいます。一方、狭心症では血管が狭くなっているものの、血流は保たれています。
専門医による心筋梗塞・狭心症の詳しい解説はこちら。
【取材した医師】
岩手医科大学病院 内科学講座循環器内科分野 教授 森野禎浩医師
小倉記念病院 副院長 循環器内科(心臓血管病センター) 主任部長 安藤献児医師
PCIは、この血管の詰まったところに、ステントと呼ばれる網状の金属の筒やバルーン(風船)を挿入し、中で広げて詰まりを解消する治療方法です。外科手術に比べ、入院期間も1~2泊程度と短くて済み、痛みもほとんどないためからだへの負担が少なく、社会生活にも比較的早く復帰できるというメリットがあります。