「肉眼ではなく、モニターカメラ越しに外を見る、という心理的、または技術的なハードル、さらには自動車と同じように車両として扱われるための法律的な要件もあります。しかし、技術的には不可能ではないと思いますし、将来的には公道を走れる製品を作る可能性はあります」
冒頭に書いたように、一足飛びに重作業やレスキュー、災害復旧の現場で役立つような製品は作れないので、まずは富裕層をターゲットとしたエンターテインメント用などに販売する。
例えば、クローズな場でのシューティングゲームだ。巨大なモデルガンのような武器を持ったアーカックスが戦いを繰り広げる。臨場感を高めるため、コックピット内のモニター画面に発射された弾丸や爆発がVRとして現実と重ねて表示される、というような楽しみ方だ。
ただ、車の運転とは違って、簡単に操縦できるわけではないという。
「かなり特殊な操作方式なので、乗って、すぐに動かせるようなものではありません。でも、だんだん慣れてくるとうまく操縦できるようになる。そのこと自体がアーカックスを購入する価値の提供になると考えています」
搭乗型ロボット感100倍
操縦のしやすさからいえば、肉眼で外が見えるコックピットが勝るが、今回はモニター画面越しに操縦することが大きなチャレンジで、「正直、やってみたかった」と、石井さんは語る。