世界初の搭乗型ロボット「アーカックス」
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 8月19日、ツバメインダストリ(東京都江戸川区)は販売目的としては世界初の搭乗型ロボット「アーカックス」のプロトタイプを横浜の本牧ふ頭で報道陣に公開した。細部までこだわりが感じられる外観と動きはロボットアニメの金字塔「機動戦士ガンダム」に登場するジオン公国の「モビルスーツ」を思い起こさせる。たった15秒でロボットの姿から移動に特化したビークルモードに変形するところは映画にもなった「トランスフォーマー」に近いかもしれない。価格は4億円(国内先行販売参考価格)。主な顧客としては海外の富裕層を想定しており、将来的には重作業(建築、解体、荷揚げ)やレスキュー、災害復旧、宇宙開発などへの利用を目指す。

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 アーカックスは全高4.5メートル(ロボットモード)、重量3.5トン。胴体にはパイロットが乗り込むコックピットが設けられている。パイロットは9つの外部カメラの映像を4つのモニター画面で切り替え表示しながらジョイスティックとペダルで操縦をする。26カ所の関節の動きはとても滑らかで、手の指はじゃんけんのような細かな動きもこなす。

 デモンストレーションでパイロットを務めたツバメインダストリ取締役の石井啓範(あきのり)さんは30年ほど前、早稲田大学理工学部で全高約180センチのヒューマノイド「WABIAN(ワビアン)」の開発に携わって以来、人型ロボットの開発に打ち込んできた。

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自分が乗って動かしたかった