さまざまな工夫が施されたコックピット部分

 前回の「動くガンダム」と大きく異なるのは、人が乗って操縦する販売目的の製品だということだ。そのため、さまざまな安全対策がとられているほか、販売後のメンテナンスに備えて交換部品も保有する。

「安全規格については、国内外の建設機械に準拠しています。全高4.5メートルのアーカックスは不安定そうに見えるかもしれませんが、重心はかなり低く、ロボットモードで20度、ビークルモードのときは30度傾いても倒れない建設機械と同等の安定性があります。5度以上傾くとシステムは自動停止します」

 コックピットはハッチ開閉時の挟み込み事故を防止するため、手足を決められた位置に置かないと動作しない。さらに念を入れてハッチには挟み込み防止センサーも設けている。コックピット後方には緊急脱出用のハッチもある。

 現実的な作り込みが随所になされていることで、よりリアルな近未来体験ができるわけだ。

公道は移動できる?

 アーカックスを正面から見ると、「足」がついているように感じられるが、実際には4つのタイヤで走行する。最高時速は10キロ(ビークルモード時)。

 速度アップは優先度の高い課題であるが、現状、操縦すると、「感覚的に10キロが限界」だと言う。それでも、もし公道を走れたらものすごくインパクトがありそうだ。ただ、現時点では公道での走行は想定していないという。

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まずは富裕層をターゲット