甲子園では通算5本塁打。「打てる捕手」として輝きを放つ(撮影=加藤夏子)
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 甲子園を沸かせた高校野球のスターも、聖地の土を踏めなかった球児も今、同じスタート地点に立っている。昨秋のドラフトを沸かせたプロ野球新人選手の声をお届けする。「甲子園2023」(AERA増刊)の記事を紹介する。

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 遊撃手として大阪桐蔭に入学した松尾汐恩が、その後の野球人生に深く影響する、捕手としての歩みを始めたのは1年秋のことだ。「やるとは思っていなかった」という捕手になりたての頃は、苦労もあったし、学びの連続だった。

「初めは自分の感覚だけでやっていたところがありましたが、経験を積みながら技術のことをより考えるようになっていきました」

 初めて甲子園の土を踏んだのは、捕手になって半年ぐらいが過ぎた2年春。選抜大会では代打、守備での出場のみに終わったが、目指していた聖地に足を踏み入れた現実を素直に喜ぶ自分がいた。

「小さい頃からプロ野球選手になりたいという思いが強かった。そのためにも、甲子園で活躍したいとずっと思っていました。初めて甲子園球場を目の前で見た時は、『来たんだな』という思いになりました」

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