松尾汐恩選手(横浜DeNAベイスターズ)(写真=時事)

 背番号12で再び甲子園に帰った同年夏は、スタメン捕手として躍動。近江(滋賀)との2回戦ではソロアーチを放った。そして迎えた3年春の選抜大会で、松尾は捕手としての評価をさらに高めることになる。4試合を通じて投手陣を支えた。持ち前の肩の強さも、随所で見せた。打っては打率3割5分3厘である。準決勝、決勝では本塁打をマークして、優勝の立役者となった。

「目指していた甲子園での優勝を果たした瞬間が、一番印象に残っています」

 3年夏の甲子園では、聖望学園(埼玉)との2回戦で2打席連続アーチを放って、甲子園通算5本塁打を記録。春夏連覇に向けて「死角なし」と言われた強豪・大阪桐蔭の顔として輝き続けた。だが、のちに準優勝を果たすことになる下関国際(山口)に準々決勝で敗れて、松尾の甲子園での戦いが終わった。

「完全にアウェーで戦っている感覚でしたね。球場全体に広がる手拍子……。相手への応援がすごかった。でも、そういう状況でプレーできたことが、自分にとっての『強み』になったと思っています」

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