自民党女性局長の松川るい参院議員らが、フランス研修中に「観光旅行」とみられかねない遊び感丸出しの写真をSNSに投稿して物議を醸した一件で、当の議員らは「少子化対策や子育て支援」について学んだなどと釈明した。だが、兵庫県明石市を子育て支援の先進地へと改革した元市長の泉房穂氏は「ただの言い訳」と突き放す。
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泉氏は明石市長に在任中、「子ども医療費」「第2子以降の保育料」「0歳児の見守り訪問『おむつ定期便』」「公共施設の遊び場」「中学校の給食費」で所得制限のない無料化を実現するなど、子どもを核としたまちづくりを推し進めた。
〝明石モデル〟とも称され「子育て支援」の先進地として全国的に知られるようになり、人口増にも成功した。
「明石市への視察もご検討ください」
その泉氏は、自民議員ら38人のフランス研修について7月31日にTwitterで、
「『ふらんすへ行きたしと思へども、ふらんすはあまりに遠し』と言ったのは、詩人の萩原朔太郎だが、『明石市へ行きたいと思ったら、明石市はそんなに遠くない』。東京からわずか3時間だ。自民党女性局の皆さん、明石市への視察も、是非ご検討ください。お待ちしております」
と投稿した。
これに対し、
「まず真っ先に行くべきは国内で成功してる明石市だ!! フランスにあんな大勢で行くよりもよっぽど有意義な時間になる」
「少子化対策のモデルが国内にあるのに、これを学ぼうとせずフランス観光に行く神経が、問題に対する本気度を感じさせない」
などと、同調する投稿が相次いだ。
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――フランス研修を率直にどう見ているか
「実態は自民党の女性局が行っている5年に1回の観光旅行でしょう。研修が目的じゃないことは、みんな分かっていますよ。私も冷めた目で見ています」
《松川議員は「中身のある真面目な研修なのに誤解を招いてしまっており、申し訳なく思っております」と陳謝。今井絵理子参院議員は「フランスの少子化対策や子育て支援などの視察や意見交換をさせていただきます」と釈明した》