7月27日のダブルヘッダー第1試合で、自身メジャー初となる完封勝利で9勝目をマークした大谷。続く第2試合では2打席連続本塁打を放つなど、異次元の活躍を見せている(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
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 米国メジャーリーグのトレード期限が現地時間1日午後6時に締め切られ、エンゼルス・大谷翔平の今季残留が決まった。背景にはどんな思惑があったのか。AERA 2023年8月14-21日合併号より紹介する。

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 来年も大谷翔平とプレーしたい──。

 2014年以来9年ぶりのプレーオフ進出を目指すエンゼルスはトレード市場で「買い手」に回り、本気度が伝わってくる補強策を敢行した。

 ホワイトソックスから先発で実績十分のルーカス・ジオリトと救援のレイナルド・ロペス、ロッキーズからランドル・グリチャク、C.J.クロンの両主砲を獲得した。さらに、期限ギリギリでメッツからセットアッパーのドミニク・リオンの補強にも成功。貴重なプロスペクト(若手有望株)を放出してでも即戦力選手の獲得にこだわったのは、プレーオフに進出して今オフにFAとなる大谷と再契約を結ぶための説得材料にしたいという思惑が見える。

投打で誰よりも奮闘

 プレーオフと縁がなかった昨年までは、トレード市場で主力選手を放出する「売り手」に回っていたが今年は違う。

「主力選手に故障が相次いでいる中、トレードで積極的な補強に動いたことは評価できます。大谷の去就は、エンゼルスがプレーオフに進出できるかが大きく影響すると思います。チームに対する愛着がある一方で、ポストシーズンや、ワールドシリーズの大舞台でプレーしたい思いは野球人として当然抱いているでしょう。エンゼルスがプレーオフに進出して、チームに可能性を感じられるなら残留は十分あり得ます」(スポーツ紙デスク)

 投打で誰よりも奮闘しているのが、大谷だ。7月27日のタイガースとのダブルヘッダーでは、第1試合で自身メジャー初となる完封勝利で9勝目をマーク。111球の熱投で打たれた安打は1本のみだった。その後の第2試合も「2番・指名打者」でスタメン出場し、2打席連続アーチ。2回2死一塁で逆方向の左翼へ37号2点本塁打、4回は右中間に2打席連続の38号ソロを放った。1人の選手が1日で完封し、2本塁打を放ったのはメジャー史上51年ぶり3人目の快挙だった。

 気がかりなのはコンディションだ。2打席連続アーチを打った際、左手で脇腹のあたりを気にしながらダイヤモンドを一周。7回の打席で代打が送られ、「左脇腹のけいれん」で途中交代した。

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